皮ごと食べられる野菜・果物一覧!美味しい食べ方も

野菜は、皮ごと食べた方が体にいいって聞いたことありませんか?
まず、農薬や雑菌などのことは一旦置いといて、野菜の皮に含まれる栄養素に絞ってお伝えしたいと思います。

実は多くの野菜の皮には、中身の部分よりも多く栄養素が含まれているんです。
野菜の皮を厚めに剝いてしまうと、せっかくの凝縮した栄養素を取り除き、栄養の少ない中心部分だけを食べることになってしまうので、すごくもったいないことなんですよ。

昔の日本では、もともと野菜の皮を剥くという習慣はなく、皮付きのまま食べるのが当たり前でした。
しかし、輸入野菜や果物などの農薬やワックスなどが問題になったり、がついたままだと食感や見た目が悪くなるといった理由から、いつの間にか「野菜の皮は剥いて食べるもの」というのが常識になってしまったんです。

確かに、野菜の皮がついたままになっていると色々心配なことはありますが、だからと言って食べられる部分まで捨ててしまうのはもったいないことですよね。
しかも野菜の皮に含まれる栄養素は、私たちの健康や美容に役立つ成分ばかりなんです。

野菜の皮には、実より栄養のある「フィトケミカル」が含まれている!

フィトケミカル、またはファイトケミカルともいいますが、これは一体何なのかというと、第7の栄養素と言われる化学物質なんです。
私たちが生きていくためには、①たんぱく質、②ビタミン、③ミネラル、④糖質、⑤脂質の5種類の栄養素を欠かすことができません。

これを5大栄養素と呼びますが、これに食物繊維が加わって6大栄養素とも呼ばれます。
フィトケミカルは、これらに含まれない7種類目の栄養素なんですが、なんと含まれている栄養が、今分かっているだけでなんと1000種類以上もあるんです。

 

例えば、大豆に含まれるイソフラボンや、トマトに含まれるリコピン、緑茶に含まれるカテキン、ブルーベリーに含まれるアントシアニンなども全てフィトケミカルです。
フィトケミカルという言葉は聞いたことがなくても、一つ一つ挙げてみると、馴染み深いものばかりですよね。

その効果はさまざまですが、代表的なのが抗酸化作用です。
抗酸化作用とは、ストレスを感じたり、年齢を重ねることによって体の中で発生しやすくなる活性酸素を除去する働きのことです。

 

体の中から活性酸素を取り除くことによって、新陳代謝が活発になっていつまでも若々しくいられたり、免疫力の低下が引き起こすガンなどの病気を防ぐ効果もあるんです。

どうして野菜の皮にはフィトケミカルが多く含まれているの?

野菜に含まれるフィトケミカルの正体は、苦みやえぐみ、色や香りといった成分です。
これらは、野菜が自分自身の体を守るために作り出しているものなんです。

動物は、外敵に襲われそうになったら走って逃げることができますが、畑に根っこを張って育っている野菜は、動くことができませんよね。
だから、自分の葉っぱを食べにやってくる虫や、伝染病を引き起こす細菌などの外敵から自らの身を守るために、苦みやえぐみの成分を皮に集めたり、虫が嫌いな香りを放ったりして防御しているんです。

 

他にも、強い紫外線にさらされたり日照りが続いた時などにも、水分を出来るだけ外に逃がさないようにする働きもあります。
そのため野菜は、中心部分よりも皮に近い部分ほど、たくさんの栄養を蓄えていることが多いんです。

フィトケミカルは、人間の体では絶対に作れない成分なので、野菜や果物などの植物から頂かないといけません。
それなのに、フィトケミカルがたっぷり含まれた皮を捨ててしまうなんて、すごくもったいない気がしますよね。

野菜の皮を捨てずに、「こんな風に」調理しよう!

最近は、フィトケミカルへの注目が高まっているため、野菜を皮のまま食べた方がいいという考えが徐々に浸透しつつあります。
今まで捨ててしまっていた野菜の皮も上手に利用すれば、もう一品おかずを増やすことだってできるんです。

中でもおススメなのが、野菜の皮で出汁をとる「べジブロス」です。
べジブロスは、野菜の皮やヘタ、種など、捨ててしまいがちなくずの部分を集めて、水で煮込んで作る野菜のスープです。

 

色々な野菜のくずを混ぜることで濃厚な味わいの出汁になり、色々な料理に活用することができるんです。
しっかりと煮込むことによって、スープにはフィトケミカルがたっぷりと溶け出していますので、健康や美容への効果もバッチリです。

ただしべジブロスを作るには、野菜のくずならなんでもよいというわけでなく、向いていない野菜もいくつかあるんです。
例えば、緑色になったじゃがいもの皮には毒性がありますし、キャベツの芯を入れると苦みが強くなってしまいます。

皮ごと食べていい野菜・果物は?皮ごと食べてはいけない野菜・果物は?

ということでこれから、「皮を食べられる野菜、皮は食べられない野菜」をご紹介します!

皮ごと食べていい野菜・果物

まずは、皮ごと食べられる野菜から。
意外なあの野菜も、実は皮を食べられますよ!

カボチャ

緑の皮の部分は、スープやお菓子作りに使う場合には色や食感が悪くなるため、食べずに捨ててしまうという人もいると思います。
でも皮には実の部分よりも食物繊維とβカロチンがたくさん含まれているんです。

カブ

カブが小さければ皮を剥く必要はありません。
大きいサイズになると皮の周りに筋が入って硬くなるので捨ててしまう人も多いかもしれませんが、硬くなった皮も炒めてきんぴらなどにすれば食べることができます。

皮の近くにはジアスターゼという消化酵素が多く含まれていますし、赤かぶの皮には視力を回復すると言われるアントシアニンが含まれているんです。

大根

大根の皮には、ポリフェノールやビタミンC、食物繊維などが豊富に含まれています。
皮に近い部分には辛み成分の元となる酵素が凝縮されていて、中心よりも外側に行くほど栄養価が高くなっているんです。

皮の部分は硬くて辛みが気になるという人は、甘辛く炒めれば美味しく食べることができますし、細く切って太陽に半日ほど当てて、切干し大根にするのもおススメですよ。

ごぼう

ごぼうの皮には、体の脂肪を燃やす効果があるクロロゲン酸が含まれていますし、ごぼう独特の香りもついています。
ピーラーで皮を剥いたり、包丁の背の部分でそぎ落とすのは、香りと栄養を捨ててしまうことになるんです。

土がついている場合は、もちろんしっかりと洗い流した方が良いのですが、表面を擦りながら洗うだけで十分キレイにすることができます。
またクロロゲン酸は水に溶けやすいので、水にさらすと失われてしまいます。

レンコン

レンコンは、皮を剥いた方が料理の見た目はキレイになりますが、本来はわざわざ剥く必要はありません。
皮には、炎症を抑える働きがあるタンニンや、脂肪燃焼効果があるクロロゲン酸などのポリフェノールが多く含まれていますので、見た目は気にせず皮を剥かずに食べた方がお得なんです。

サツマイモ

サツマイモの皮には実の部分よりも、食物繊維やビタミンC、カルシウムなどの栄養素が凝縮されています。
皮の色素は、視力回復に効果的なアントシアニンですし、脂肪燃焼効果があるクロロゲン酸なども含まれています。

焼き芋を上品に皮を剥いて食べるという人は、実はものすごく損をしているんですよ。

長いも

土を良く洗い流し、ひげの部分を火であぶって取り除けば、皮ごと食べることができます。
長いもの皮にはポリフェノールが多く含まれていますので、すりおろす時も皮ごとで大丈夫ですし、皮つきのまま輪切りにしてフライパンで焼くだけでも美味しくいただけます。

里芋

里芋の皮にはリグナンというポリフェノールが含まれていて、女性ホルモンのバランスを整えてくれる作用がありますので、美肌や更年期障害の改善などが期待できます。
里芋のリグナンは、ほとんどが皮に含まれていますので、皮ごと素揚げするなどして積極的に食べましょう。

にんじん

にんじんは皮の、βカロチンやビタミンなどが多く含まれています。
ニンジンの皮は、すごく薄いので、収穫した後に洗浄された時に大部分が剥がれてしまっているんです。

普段スーパーで並んでいるきれいなニンジンは、実は皮がもう剥がされた状態になっていて、皮だと思って剝いていた外側のちょっと硬い部分は実の一部なんです。
ですから、これ以上美味しい実を削って、栄養を無駄にする必要はないんです。

アスパラガス

アスパラガスは、根元に近い部分ほど太くなっていて筋が多くなるため、皮を剥かないと食べられませんが、その皮には旨み成分が豊富に含まれているんです。
そのままだと繊維が固くて食べられませんが、皮を集めてお湯で煮ると、アスパラガスの良いダシが出るので、野菜スープなどに使えるんですよ。

玉ねぎ

玉ねぎの皮には、血液をサラサラにするケルセチンやビタミン類、ミネラルが豊富に含まれています。
皮を天日干ししてから、お茶と同じように煮だしたり、粉末状にして使うことができます。

にんにく

にんにくの皮には、抗酸化作用のある物質が多く含まれています。
そのままだと固くて食べられませんが、皮付きのまま素揚げすると食べやすくなります。

熟成した黒ニンニクの場合は、皮をいくつか集めて熱湯を注いでお茶として楽しむことができます。

しょうが

しょうがの特徴である辛味成分や香りは皮のすぐ下の部分に多く含まれていますので、皮を剥いてしまうのはもったいないことなんです。
皮ごとすりおろすと繊維が残りやすいので見た目はあまりよくありませんが、しょうがの風味や香りを重視するなら皮ごとがおススメです。

りんご

皮には数種類のポリフェノールが入っていて「りんごポリフェノール」とも呼ばれるほど栄養価が高いんです。
他にも水溶性の食物繊維であるペクチンやむくみを解消するカリウムなども、実の部分よりも皮の方が多く含まれていますので、ぜひりんごは皮ごとがぶっと食べましょう。

梨の皮には抗酸化作用のあるポリフェノールが多く含まれています。
皮のすぐ下の果肉の部分には、疲れを取ってくれるアスパラギン酸やカリウムなどの栄養素が集まっていて、甘みも凝縮されているんです。

さくらんぼ

さくらんぼは皮を剥いて食べる人はほとんどいませんので、もちろん皮ごと食べられます。
ただし、さくらんぼの皮は消化しにくいので、離乳食期の赤ちゃんなどには皮を剥いて食べさせたほうが安心ですよ。

桃の皮には若返り効果があるビタミンEやカテキンなどが含まれていますし、皮と実の間に一番甘味が凝縮されていますので、ぜひ皮ごと食べるのがおススメです。
表面のうぶ毛が気になる場合は、流水でこすりながら洗うと取れやすくなりますよ。

バナナ

バナナの皮にはビタミンB群やカリウム、食物繊維のほか、精神を安定させるトリプトファンなどさまざまな栄養素が含まれていて、海外では普通に皮ごと食べられています。

でもそのままではやっぱり美味しくないので、油で炒めたり衣をつけて揚げたりすると食べやすくなります。
皮にはたんぱく質を分解する酵素も含まれているので、お肉と一緒に煮ると柔らかくなりますよ。

いちじく

いちじくは皮を剥いて食べる人も多いと思いますが、皮には目に良いアントシアニンや食物繊維が豊富に含まれています。
皮の食感が気になる場合は、赤ワイン煮やコンポートなどのように加熱して食べると気にならなくなりますよ。

ブドウ

ブドウの皮には、目に良いアントシアニンや抗酸化作用のあるレスベラトロールなどのポリフェノールが、実の部分よりも多く含まれています。
最近は品種改良によって皮ごと食べられるブドウも出てきましたが、皮が固くて口の中に残りやすい品種の場合は、皮ごとスムージーにすると摂取しやすいですよ。

ラズベリー

ラズベリーは皮を剥いて食べる人はほとんどいませんので、そのまま食べて大丈夫です。
強い抗酸化作用のあるエラグ酸や、目に良いアントシアニンなど美容や健康に良い成分が豊富に含まれています。

みかん

みかんの外側の皮には、βクリプトキサンチンという免疫力を高めてくれる成分や、ビタミンCなどが豊富に含まれています。
実よりも皮の方が栄養があるため、漢方薬では「陳皮」と呼ばれ、風邪薬や胃薬として使われているんです。

皮ごとがぶっと食べてもいいですし、皮だけ集めてマーマレードなどにしてもおススメです。

注意が必要だけど、条件付きで皮ごと食べられる野菜

 じゃがいもの皮には、食物繊維やビタミンなどが豊富に含まれています。
その一方で、皮が青くなっている部分や芽には、ソラニンやチャコニンという食中毒を引き起こす毒素が含まれているので絶対に食べてはいけないんです。

皮が青くなったり芽が出るのは、じゃがいもが成長をしようとしているからなので、光を当てないように涼しい場所で保管すれば、成長を抑えることができます。

皮ごと食べられない野菜

タケノコの皮は、筋がたくさん入っていて非常に硬いので食べることはできません。
でも昔は、おにぎりを包む道具として重宝されたり、細く切り裂いて草履を編んだりして利用されてきました。

食べることは出来なくても、そのまま捨てるよりは上手に活用をしてみるといいかもしれませんね。

でも、皮には残留農薬が多く含まれているって本当?

http://urx.mobi/DzpY

これまでの紹介で、野菜の皮にはすごく栄養があることはわかってもらえたと思います。
では、どんどん皮を食べよう…と言いたいのですが、ここで農薬の問題が出てきます。

日本の農薬については、実はあんまり知られていないのですが、

  • 農薬使用量世界三位
  • ヨーロッパでは禁止されている農薬が使われている
  • 残留農薬の基準が緩く、例えば台湾より200倍も緩い
  • 日本の野菜農薬が多いから輸入してくれない国もある

という状況なんですよね。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0540.html
https://twitter.com/t1o4/status/729655295035613184
https://twitter.com/t1o4/status/729655295035613184

 

それに農薬自体は、

  • 妊娠中絶薬の成分でもある「燐酸トリオルトクレジル」というものが含まれていたり、
  • 農薬を使った地域が、リノパ腺のガンが増えたという調査結果もあったり、
  • ネズミに使用した時は、奇形児が生まれやすくなったという調査もあったり、

というのも、以前の記事でご紹介しました。

そう考えると、やっぱり農薬は除去したいと思いますよね。

 

だけど、野菜の皮の農薬は水洗いだけでは・・・

確かに農薬は、水で良く洗えばある程度は落ちます。
ただし親油性のものも多く、やっぱり完全に落とすことは難しいです。

それに野菜は洗いすぎると、今度は栄養が流れちゃうんですよね(;’∀’)
栄養の種類にもよりますが、最大で3割くらい野菜の栄養が流れると聞いたことがあります。

 

それに農薬だけならいいんですけど、最近話題のPM2.5なんかは、これまた油性で、水で落ちないと言われています。

 

簡単にシュシュっと落とせるスプレー洗いを習慣に!

お金に余裕のある方は、無農薬野菜や有機野菜を食べるのが一番だと思います。
でも無農薬野菜って、普通の野菜の1.5倍くらい高いですからね…私は続けるとなると少ししんどいです(;’∀’)

なので私は、スプレータイプの野菜専用洗浄剤を使っています。

スプレー式最大のメリットは、手軽にできるので習慣化できるということにつきます!

いくら良いことでも、続けられないと全く意味がないですからね~。

 

野菜は身体や心の栄養です。不安をシュシュっと落として美味しく上手に取り入れましょう。